日本文化を作り上げた最古の教科書の秘密~ねずさんと学ぶ「今こそ!日本書紀」第1回~

今回は『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』(徳間書店)を出されています、

小名木善行先生ことねずさんと一緒に『日本書紀』の勉強をしていきたいと思います。

全30巻あるという日本書紀を、この一冊にまとめられているということで、この本には書き切れなかった深い部分のお話を伺いたいなと思っています。

よろしくお願いします!

よろしくお願いします!

1、なぜ今『日本書紀』なのか

まず、今年がちょうど2020年で、「編纂1300年の奇跡」と書かれていますが、

なぜ今、日本書紀に注目されたのかということを、お伺いしたいと思います。

ありがとうございます。

そのことについて、3つに分けて、お話ししようと思います。

まず1つは、今年が日本書紀の編纂からちょうど1300年になるということですね。

日本書紀が書かれて、元正天皇に献上されたのがちょうど西暦720年の出来事になります。

今年が2020年ですから、ちょうど1300年目の節目にあたるということで、そういった意味で日本書紀を見直してみることが、とても貴重な時期にあたるということですね。

そして、2つ目としては、そもそも日本書紀が何のために書かれたのかを見ると、日本という国を、改めて教育と文化によって統一していこうという目的で作られたことです。

世界中、どこでもそうなんですけれども、
どの国でも偉い人が軍勢を率いて、征服と制圧によって、武力によって、国を一つにまとめていきます。

反対するやつらがいたら皆殺しにしてやれという、そういう国家というのが、世界の歴史に登場する国々です。
ほぼすべての国がそうですね。

ところが、わが国ではそうではなくて、
日本書紀というものを通じて、教育と文化によって国を統一しようとしたんです。


実際に、日本書紀が提出されたのは西暦720年ですが、
翌年の721年から、この日本書紀が貴族の子女の教育用の教科書として使われるようになったんです。

さらに、そこで教えられた貴族の子女たちが、今度は国司となって地方に派遣され、その派遣された地方で、豪族たちの子どもたちを集めて日本書紀の講義をする。

そして、そこで教わった豪族たちの子女が、各村々の若者たちを集めて来て日本書紀の講義をする、といったように、どんどん広がっていったんです。

こうして日本書紀を教科書として用いる勉強がどれくらい続いたかというと、なんと1200年も続いたんですね。

1200年ですか!つまり、100年前までということですか?

戦後それが失われたんで、そういう意味では1200年以上、1225年続いていますね。

各豪族が広まって教えていたということは、それぐらい日本書紀が浸透してて、一般市民でも教えあうことが出来たっていうことですか?

そうですね。
我が国の国柄というか、日本国民としてのアイデンティティの基礎になったのは、まさに日本書紀があるからで、
そういう意味で、日本人として覚醒する・目を醒ますためには、やっぱり日本書紀が大事だという話になってきます。

それから、3つ目なんですけれども、今、国も世界も大きく変わろうとしています。

特に、新型コロナウイルスで外出規制が入ったりとか、お店がお休みになったりとか、色々な形で閉塞感がありますよね。

閉塞感があるとき、あるいは、今後どうして良いか分からなくなったとき、何でもそうですが、原点に帰ることが大事だといいます。

じゃあ、日本の原点とは何か。

それが、日本書紀ということなんですね。

日本の原点について書かれたものがあるとするならば、それを学んでみるって絶対に値打ちがあるじゃないですか。

その意味でも、日本書紀を改めて学んでみることが、とても大事なことだと思います。

ところが、日本書紀に関して書かれている本を探そうとすると、意外と無いんです。

Amazonの本のジャンルでも、『古事記』というジャンルはあるんですけれども、『日本書紀』というジャンルはないんですよ。

へぇー、そうなんですね。

確かに、日本書紀に関して書かれた本は少ないなと感じますね。

2、日本書紀の古典文学としての魅力

日本書紀に関する本が無いことはないんですが、
全30巻ありますから、基本的に全体のあらすじをまとめて、大まかな内容を伝えるくらいしか現実的にはできないんですね。

ところが、日本の古典文学というのは、
表面に書いてあることだけでなく、そこから一歩踏み込んだところに意味があるんです。


あるいは、その一歩踏み込んだところに、ものすごい大切なことがあって、それををほんの一行にさらっとまとめている。

日本の文学って、“引き算の論理”だと言われるんです。

和歌はその典型ですけれども、万感の想いを31文字に込める訳ですよね。

ですから、五・七・五・七・七という31文字に書かれていることだけではなくて、もっとたくさんの情報が、その31文字の中に込められている訳です。

同様に、日本の古典文学というのは、さらっと読んでしまうとそれっきりですが、実はそこに深い意味がある、といったようなことが頻繁にあるわけですね。


例えば、イザナギとイザナミが天(あめ)の御柱を、男性は左から回り、女性の方が右から回りましたと、さらっと書いてあるんですね。

普通に読んでいけば、読み飛ばしてしまうところですが、
じゃあ、「どうして男性は左から回ったの?どうして、女性が右から回ったの?」といったようなことは書かれていない訳です。

ところが、実はそういったことが、現代の我々にまでものすごく大きな影響を与えているとするならば、
そこをきちんと解説しなかったら、日本書紀を読んだことにならないじゃないですか。

実はこの本では、日本書紀の中でも「こことここは大事だよね」というポイントを挙げながら、全体の整合性がつくようにまとめていっているんです。

けっこう貴重ですよ。(笑)

僕も、すぐに読ませて頂きました。

先生がおっしゃっていたように、あらすじだけをさらってあるような簡単な本はたくさん読んだことがあったのですが、正直、日本書紀というのは、少し味気ないようなイメージを感じていたんですね。

古事記は、マンガになっていたり小説風に書かれていたりと、ストーリー調で書かれているものが多いじゃないですか。

ですが、この本を読ませてもらったら、本当に人間の息吹が入っているというか、この国をまとめてきた思想が入っているんだなと、すごく感じました。

ありがとうございます!

3、まとめ

これからこのコーナーでは、素朴な疑問をねずさんに聞いていきながら、色々な角度で日本書紀の魅力をお伝えしていきたいなと思います!

それでは、ねずさん、ありがとうございました!

-講師紹介

国史啓蒙家。浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。またインターネット上で、愛称「ねずさん」としてブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。